画像・映像信号処理

多次元信号としての画像・映像

信号を次元によって分類するとき, x (t ) のように表される信号は,1つの変数t によって値が記述されることから,1次元信号とよばれる.x (t 1, t 2, ..., tn ) のように,多数の独立変数t 1, t 2, ..., tn によって値が記述される信号は多次元信号とよばれ,その次元はn である.

多次元信号の代表として,2次元の画像(図1)や3次元の映像(図2)などがある.センサアレイによって得られる地震波なども2次元や3次元信号となる.多次元信号は,科学技術の分野における観測データや計測データとして重要な情報を担っているだけではなく,人間にとっても直感的で身近な表現や伝達のための手段として極めて重要である.

画像Cameraman(2次元信号) 映像Salesman(3次元信号)
図1 画像Cameraman(2次元信号) 図2 映像Salesman(3次元信号)

多次元ディジタル信号処理に関する研究

多次元信号に対するディジタル信号処理は多次元ディジタル信号処理とよばれる.通常の1次元のディジタル信号処理の場合と同様に,多次元ディジタル信号処理においても多次元ディジタルフィルタと多次元離散フーリエ変換が重要な二つの理論的柱となっている.たとえば,2次元ディジタルフィルタは,水平および垂直方向の周波数ω 1ω 2 に対して図3のような周波数振幅特性をもつことができ,これによって,画像や地震波などの信号処理を行うことができる.多次元ディジタル信号処理は,画像や映像を取り扱うことから,最近の高度な情報通信技術における画像や映像の処理・符号化・伝送のための重要な基礎技術となっている.

本研究室においては,多次元ディジタルフィルタと多次元離散フーリエ変換の数学的基礎理論,ディジタルシグナルプロセッサ上の実装,画像・映像処理への応用に関して研究を行っている.このような多次元ディジタルフィルタや多次元離散フーリエ変換は,画像・映像処理の基礎であり,ディジタルシネマの研究に結びついている.

2次元ディジタルフィルタの周波数振幅特性の例(円対称低域通過フィルタ)
図3 2次元ディジタルフィルタの周波数振幅特性の例(円対称低域通過フィルタ)

画像の拡大・縮小に関する研究

現在,様々な精度(大きさ)のディスプレイがある.例えば,携帯電話,PC,ディジタルTV,プロジェクタなどがあり,その精度は様々である.これらの様々な精度のディスプレイにおいて画像を表示するためには,そのディスプレイの精度を最大限利用するように画像を拡大・縮小して表示する必要がある.

本研究室では,画像の数学的表現として系統的な理論であるガウシアン・ラプラシアンピラミッド(下図)に着目し,画像の高精度の拡大・縮小法に関して研究している.

画像のガウシアン・ラプラシアンピラミッド表現
図4 画像のガウシアン・ラプラシアンピラミッド表現
原画像(白色雑音を含む)
図5 原画像(白色雑音を含む)
従来法により拡大された画像(拡大処理により雑音が大きくなってしまった)
図6 従来法により拡大された画像(拡大処理により雑音が大きくなってしまった)
提案法により拡大された画像(雑音を抑えながら拡大が行われている)
図7 提案法により拡大された画像(雑音を抑えながら拡大が行われている)